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【地域経済】「長く働いて」出産後早期復職 三菱UFJ最優秀賞

2014/01/27

管理職にも研修 託児・シッター充実

 三菱東京UFJ銀行が、女性が働きやすい職場環境づくりに力を入れる企業を表彰する名古屋市の「女性の活躍推進企業認定・表彰制度」で、2014年度の最優秀賞に選ばれた。支援の充実で出産に伴う退職者を大幅に減らす成果を出し、早期復職の支援にも取り組んでいることが評価された。(稲田雅文)

 「子どもは成長すれば、手がかからなくなる。5年後、10年後にどんな自分になっていたいかをイメージして」。先日、三菱東京UFJ銀行が名古屋市内で、出産を間近に控えた東海地方の女性行員25人を対象に開いた研修。講師が強調したのは、出産後も将来のキャリアを考えて働き続けることの大切さだ。

 「女性にとって働きがいのある職場にすることが顧客満足度を向上させる」との考えから、06年に女性活躍推進室(現ダイバーシティ推進室)を発足させた。銀行は、もともと女性が多く、特に個人に対する営業では女性行員が戦力。支援の背景には、経験豊かな行員に長く働き続けてもらうことが必要という事情もある。出産後も辞めずに済むよう、短時間勤務や託児補助などの支援を整えた。

 充実させているのが研修や面談だ。休職前と復職後に全員参加の研修を実施しているほか、休職前と復職前には面談も。管理職向けの研修も設け、「復職することが当たり前」という社内風土をつくりあげた。

 こうした取り組みで、07年3月に約300人だった産休・育休取得者は14年3月には1300人を超えた。行員数約3万人のうち半数が女性で、その1割弱が産休・育休の取得中ということになる。短時間勤務も900人近くに上る。

 休職者や短時間勤務者が増えたことを踏まえて14年4月からは支援を一歩進め、早期に復職する人を積極的に支援する方針を掲げた。このために、託児サービスの補助制度を新設。さらに短時間勤務から通常勤務に戻りやすいよう、ベビーシッター補助などの制度も充実させた。

 同行ダイバーシティ推進室の遠山順子(よりこ)上席調査役は「短時間勤務者が増え続けると業務に影響する可能性もある。会社としても早く通常勤務に戻ってもらいたい」と狙いを話す。28日に表彰式が開かれる。

三菱東京UFJ銀行が出産直前の女性行員を対象に開いた研修=名古屋市で
三菱東京UFJ銀行が出産直前の女性行員を対象に開いた研修=名古屋市で