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【地域経済】職場発泣き笑い/アイフォーン発売は“祭り”

2015/01/16

 世界的な人気を持つiPhone(アイフォーン)の発売は、携帯電話の販売現場にとって特別なイベントだ。家電量販店で店頭に立つKDDIの阿部和樹さん(28)も、年間で最も忙しい数日間を送る。

 発売前に、お客さまから「何か情報はないか」とよく聞かれます。でもメーカーのアップルはぎりぎりまで何も教えてくれません。説明員も来ません。われわれは直前になって送られてくるマニュアルを読み込んで、急ピッチで商品の特徴を頭にたたき込みます。

 商品が届くのは、発売前日の夜。営業を終えた後に急いで準備にかかります。売り場のレイアウトは、製品の色ごとの並べ方や旧モデルの取り扱いなど、事細かに決められています。アイフォーンのイメージを壊さずに演出するためです。

 発売日、お客さまは朝の5時や6時から行列をつくります。何時間待たされても不満を言わず、商品を手にした時は心からの笑顔になります。毎年買うからファン同士が顔見知りで、前回買った店員を覚えていたりしますね。年に1度の祭りを楽しむかのようです。

 面白いのは、ほかの機種なら必ず受ける質問がほとんどないこと。ファンの方々はネットなどで情報を集めて知り尽くしているんです。嵐のように通常の数倍は売れますから、週末に発売されて日曜の営業を閉めたときは、私もそれこそ祭りが終わった気分になるのです。