2014/12/18
西陵高校(西区児玉二)で17日、介護実習の報告会があり、介護福祉士コースで学ぶ3年生15人が発表した。慣れない実習につらい思いをしながらも、実習先のお年寄りの笑顔や、職員たちの励ましを支えに乗り越えた貴重な経験を1人1人が披露した。(藤嶋崇)
1つ上の学年の実習期間は16日間だったが、今の3年生は2年と3年の2年間で計51日間をこなした。現場で学んだ知識と経験の集大成にしようと、実習を受け入れた施設関係者を招いて初めて報告会を開いた。
後輩の2年生や施設関係者ら35人を前に、井上奈央見さんは「私は人と話すのが苦手。つらくて涙を流すことがたくさんありました」と振り返った。しかし、利用者のお年寄りと顔が分かる関係になると、隣にいるだけで利用者が笑顔になり、声を掛けてくれるようになった。「もっと利用者さんのそばにいたい」と進学志望を変更し、就職の道を選ぶことを決めた。
「実習に行きたくなくて、死にたいと思うこともあった」と明かしたのは楠村ゆきさん。「でも、実習先のお年寄りに会った時、笑顔を見せてくれたのがうれしかった」と忘れられない思い出を語った。「利用者さん1人1人の体の状況が異なり、それぞれの課題が分かった。学ぶことは多かった」と結んだ。
実習を通して、人見知りの性格が変わったという伊藤万里奈さんは「話すことが難しい人でも手を握ったり、目を合わせたりすることで笑顔になった」と言葉以外のコミュニケーションの大切さを学んだと紹介した。
「利用者さんの食事に薬を混ぜて食べさせているのを見て驚いた。職員も、時間も足りない厳しい実情があった」と理想と現実の違いに戸惑ったと発表する生徒もいた。
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