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【社会】セクハラ・マタハラ本格調査 厚労省が初、実態把握へ

2014/11/16

 厚生労働省は、職場でのセクハラや、妊娠・出産を理由に不当な扱いを受ける「マタニティーハラスメント(マタハラ)」について初の本格調査に乗り出すことを決めた。特に派遣やパートなど立場が弱い非正規雇用の女性の被害が深刻とみて、詳しい実態をつかみ、防止策づくりに役立てるのが狙い。

 1986年施行の男女雇用機会均等法は、企業にセクハラなどへの対応を義務付けている。しかし国会議員らのセクハラやじに象徴されるように、社会の意識は十分高まったとはいえないのが実情だ。マタハラについて最高裁は10月、「妊娠による降格は、本人の同意がなければ違法」との初判断を示した。

 各地の労働局に2013年度に寄せられた相談は、セクハラ関連が6183件、マタハラ関連が3371件。一方で訴え出ることができず泣き寝入りしている人も多いとみられ、厚労省は「氷山の一角ではないか」とみて、被害の広がりを調べる必要があると判断した。

 調査は来年にも実施する予定。詳しい方法や規模は今後検討するが、現在働いている女性だけでなく、働いた経験がある人も含め、対象を無作為に抽出する。被害の具体的な内容に加え、(1)雇用形態や加害者の立場(2)勤務先に申告したかどうか(3)勤務先の対応-などを聞く方針だ。