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【愛知】ブラックバイト学生救え 愛知・若手弁護団 県外へも出前講座

2014/11/04

 正規社員並みのノルマや義務を伴う重労働を低賃金で担わせ、学業に深刻な支障を与えかねない「ブラックバイト」から学生を守ろうと、愛知県の若手弁護士らが全国初の被害対策弁護団を結成した。アルバイト先で酷使され孤立する学生らの声を積極的に拾い上げるため、インターネットのサイトを開設し、県内外の学校への出前講座に乗り出した。(社会部・谷悠己)

 「居酒屋のバイトへ行く途中、買い物や系列店での用事をよく頼まれます」

 「その分のバイト代も支払われるべきだ。(雇用主と)交渉した方がいい」

 10月下旬、大学祭でにぎわう名古屋学院大(名古屋市熱田区)の講義室。男女学生30人と、弁護士らが輪をつくって話し合った。

 「ブラックバイト被害対策弁護団あいち」が7月の結成後、初めて開いた出前講座。メンバーの堀江哲史弁護士(35)は「対策には直接会って話すのが効果的。具体例が次々と出てこちらも勉強になる」と話す。

 弁護団は約20人で、登録2、3年目の若手弁護士が中心だ。貧困や重労働に苦しむ弟や妹のような年代の学生を支援しようと集まった。無料相談のほか労働基準監督署への通告、労働審判や訴訟といった法的手段も視野に入れ、効果的な解決を模索する方針だ。

 ブラックバイトが広がる主な原因の一つは、学生らが労働法などの知識不足で、雇用主に正当な権利や違法性を主張できない点。

 弁護団は学生に人気の短文投稿サイト「ツイッター」で、10月中旬から弁護士が日替わりでブラックバイトにまつわる話題を投稿。学生に直接声を掛ける出前講座を積極的に企画し、12日に開催する三重県立川越高(川越町)など要請があれば県外にも出向く方針だ。

 事務局長の久野由詠弁護士(30)は「学生にとって、弁護士は気軽に話しづらい存在かもしれない。相談を待つのではなく、こちらが歩み寄って問題を掘り起こしていきたい」と話す。

 問い合わせは名古屋第一法律事務所内の弁護団事務局=電052(211)2236。ツイッターは「@bbbengodan」

出前講座で学生たちのアルバイト状況を聞く弁護士ら=名古屋市熱田区の名古屋学院大で(谷悠己撮影)
出前講座で学生たちのアルバイト状況を聞く弁護士ら=名古屋市熱田区の名古屋学院大で(谷悠己撮影)