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【社会】夫の転勤先 別の地銀に勤務

2014/10/24

女性の就労支援 全国64行検討へ

 全国地方銀行協会に加盟する64行が女性の就労支援策で連携し、地銀の女性行員が夫の転勤先にある別の地銀でも働ける仕組みづくりを検討することが分かった。政府は成長戦略の一環として女性の就労を促進しており、地銀もこれに協力するとともに、業界全体で優秀な女性行員を確保する狙いがある。

 千葉銀行の佐久間英利頭取らが発起人となり、11月に「輝く女性の活躍を加速する地銀頭取の会」を発足させ、女性の管理職登用や、子育てと仕事の両立支援策などに関して意見交換する。第2地方銀行協会に加盟する地銀は今回の取り組みには参加しない。

 具体策の柱として浮上しているのが、夫の転勤後も働き続けることを希望する女性行員を、転居先の地銀に紹介する仕組みの導入だ。転居先から戻った際には、元の地銀に復職できるようにする。主に子育て世代の女性が制度を利用することを想定している。

 地銀の店舗の大半は地元の都道府県内で、女性行員は夫が他地域に転勤した場合、単身赴任か退職するかの選択を迫られることが多い。厚生労働省によると、地銀の従業員は女性が約4割を占める。銀行が取り扱う商品は増え続けており、時間をかけて教育した女性行員の退職は銀行にも痛手となっている。地方の人口減少で優秀な人材の獲得が難しい中、今回の試みにより女性の流出に歯止めをかけようとしている。

 ただ、銀行が人材紹介を手掛けることの是非や人事情報の扱い、受け入れ先の銀行の採用方法などの検討課題は多く、制度設計に時間がかかる可能性がある。