中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【愛知】聴覚障害者が技術指導

2014/10/22

名古屋聾学校藪田さん、後輩に

 聴覚に障害があり、工作機械メーカーのヤマザキマザック(大口町)で働く藪田智也さん(23)が、母校の名古屋聾学校(名古屋市千種区)の後輩たちに実技指導した。藪田さんは「高い技能を身に付け、ものづくりに挑戦してほしい」とエールを送った。

 藪田さんは2011年に同校を卒業後、ヤマザキマザックに入社。本社工場の組み立て現場で活躍している。上司で「あいち技能マイスター」の加藤洋一さんと、同校が授業で使っている愛知工業高校(同市北区)の実習棟を訪れ、機械科専攻科の1、2年生8人に仕上げの「キサゲ作業」を教えた。

 機械では出せない1000分の1ミリ単位の精度で、金属の表面を平らに削る技術を後輩に披露。手話を交えながら「もっと強く」などとアドバイスした。指導を受けた杉本拓哉さん(19)は「障害があっても高いレベルで活躍する先輩を見習いたい」と目標にしていた。

 藪田さんは「後輩たちの頑張っている姿を見て刺激になった。耳が不自由なことをハンディに思わず頑張ってほしい」と話していた。 (平井良信)

後輩たちに仕上げ作業を教える藪田さん(右)=名古屋市北区の愛知工業高校で
後輩たちに仕上げ作業を教える藪田さん(右)=名古屋市北区の愛知工業高校で