中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【地域経済】職場発泣き笑い(10)出世の道 従順と我慢

2014/10/09

 嫌な上司に対しても従順でないと出世の道はない。そんな葛藤を抱く銀行員は少なくない。東海地方の地方銀行に勤務する40歳代のハルさんは支店長への道も視野に入り、行内で敵をつくらないように慎重に働く。

 ◇ ◇ ◇

 うちの銀行は、複数行が合併したメガバンクのように人間関係は複雑ではないけれど、派閥はあります。誰とつながりが深いかで、昇進も決まったりする。営業成績が抜群で、誰もが認める優秀な先輩がいたけれど、出世レースに脱落していったのをみるとやるせなくなりますよ。

 「部下の手柄は上司のもの。上司の失敗は部下の責任」。銀行を題材にしたテレビドラマ「半沢直樹」で有名になった言葉。あれ、当たってます。こちらは指示を受けて動いたのに、失敗すると「何でそんなことしたんだ」と怒鳴る上司も実際にいるんです。

 尊敬できる上司は多くないけど、出世のためには我慢が必要。とにかく敵をつくらないように注意しないと。上司が間違った言動をしても、根に持たれないように注意して話します。半沢直樹ばりに「倍返し」されたら怖いから。足を引っ張られないよう、後輩への気遣いも欠かせません。

 それでも銀行を辞めようとは思いません。地方では銀行のステータスって今でも高いんですよ。それに、案外、女性にもてるし。50代で出向になって大幅に給料が減らないよう、何とか生き残っていつかは役員になりたいですね。