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【社会】女性管理職3倍に デンソー社長が方針

2014/10/08

 自動車部品大手のデンソー(愛知県刈谷市)の加藤宣明社長(65)は本紙インタビューで、女性の管理職の人数を2020年までに3倍に増やす方針を明らかにした。現在、課長級以上の女性管理職は33人いて、百人を目標とする。併せて女性の新卒採用も積極的に進める。

 自動車業界は、男性比率が高い理系社員が大半を占める「男社会」で、デンソーも管理職全体(6635人)のうち女性は0・5%にとどまる。加藤社長は「出産や育児期間が不利にならないようにする」と話した。出産休暇が昇格のタイミングに重なって機会を逃す例があったため、今後は各個人のキャリア育成計画を立て、復帰後もスムーズに昇格できるようにする。

 加藤社長は「例えば軽自動車は女性の視点が大変有効だ」と語り、女性向けの車の内装部品の企画は、女性が担うべきだとの考えも示した。採用面では、14年春に入社した新卒687人のうち女性は17%で「できるだけ早く25~30%に引き上げる」という。

 新卒のうち「リケジョ」と呼ばれる女性技術系総合職をめぐっては、トヨタ自動車がグループ各社に、理系に進学した東海地方の女子学生に奨学金を支給する「リケジョ基金」の共同設立を呼び掛けている。デンソーは基金に参加せず、女性が多い学部への採用活動を独自に続ける。(太田鉄弥)

女性管理職の数を3倍に引き上げる方針を語るデンソーの加藤宣明社長=愛知県刈谷市の同社で
女性管理職の数を3倍に引き上げる方針を語るデンソーの加藤宣明社長=愛知県刈谷市の同社で