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【地域経済】職場発泣き笑い(1)/マタハラに落ち込む

2014/09/02

 「男社会」のイメージが強い建設業界。名古屋市のゼネコン(総合建設業)に勤める30代のモモさん=愛知県=は、入社6年目に妊娠すると職場の理解のなさにがくぜんとした。

 ◇ ◇ ◇

 妊娠を報告した後、同僚の大半が「どうしてまだ働きたいの?」という反応だったので、驚きました。女性社員は、結婚、妊娠したら入社5年程度で退社するのが普通でしたからね。

 高校生ぐらいから建築の仕事にあこがれ、大学で建築を学び、今の会社に総合職で入りました。大型商業施設や商業ビルの設計に携わり、周りと同じように深夜まで残業して終電で帰る日々。直属の上司は「妊娠するなんて仕事への熱意がない」という感覚で、仕事で築いてきたことが否定されたようで落ち込みました。

 それでも、上司は「今の仕事を完了してから産休に入れ」という考えで、配慮はなし。おなかが大きくなっても「ヘルメットかぶって現場を見てこい」なんて言われました。妊娠後期には夜になると発熱するので、土曜出勤で仕事をこなしましたよ。無理が響いたのか産休前には切迫流産になりかけと診断されました。

 ほとんど引き継ぎをできずに産休・育休に入ったので、何度も会社から電話がありました。自分でも現場を見に行ったりしていたのも、仕事に戻りたい、という一心からでした。

 ◇ 

 心躍る昇進や、不本意な転勤、上司とのトラブルなど会社には喜怒哀楽が渦巻く。セクハラ、産休・育休をめぐる不協和音のほか、親の介護で離職を余儀なくされる人も増え、職場は世相の写し絵だ。とかく会社側の話題が中心になりがちな経済面で、働く人たちの思いを紹介する。