2014/07/10
来夏黒字へ日々努力
シイタケの栽培を通じて障害者の自立を促す知立市上重原町の事業所「空(テン)」が開業2年目を迎えた。生産や営業に奮闘した1年を「失敗の連続だった」と振り返るが、このところは少しずつ販路が広がっており、来夏の黒字化を目指している。 (岡村淳司)
空は、知的、身体、精神の障害がある利用者が雇用契約を結んで働く就労継続支援A型事業所と呼ばれる施設。形態は一般企業に近く、18~54歳の利用者18人が自立を目指して働いている。
兼業農家で老人保健施設職員だった太田三智江さん(54)が、2013年4月に家族4人で開業。ビニールハウスでシイタケやキクラゲを栽培し、付加価値が高い乾燥シイタケも生産している。
当初は生産が安定せず、思うように生産できなかったり、逆に作りすぎたりした。利用者の退職や欠勤などで、公的な助成金の一部が出なかったこともあり、これまで赤字が続いているという。
それでも積極的な営業で、地元スーパーや飲食店、保育園を顧客にし、少しずつ売り上げを伸ばし、卸売業者から野菜の袋詰め作業を請け負う業務もスタートした。
働いている障害者は、雇用契約を結んだ施設利用者の位置付けだが、中には施設のパート職員になった人もいる。現在は、1日に30キロのシイタケを生産。来夏には採算ベースの60キロに増やしたいといい、商品を西三河地方の学校給食に使ってもらうのが当面の目標だ。
所長の三智江さんは「たくさん失敗したおかげで多くのことを学べた。まずは実績をつくらなければいけない」と前を向く。
長男で現場責任者の光彦さん(32)は「みんなで協力しなければできない仕事。利用者の頑張りでずいぶん能率が上がった。希望が持てる職場にしたい」と話している。
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