大同特殊鋼人事部
近藤那美さんに聞く

　素材メーカーが求めるのはどんな人材か。今回は大同特殊鋼の人事部で採用を担当する入社５年目の近藤那美さん（２６）に聞いた。

　聞き慣れない言葉でしょうが、特殊鋼とは鉄に合金を加えて耐熱性や耐久性を高めた特殊な鋼のこと。当社は自動車のトランスミッションやエンジン、航空機のエンジンシャフトなどに使われる特殊鋼を製造しています。専業メーカーとしては世界最大級。自動車メーカーが主な取引先です。

　社風はアットホームで風通しがいいです。新入社員でも大きな仕事を任されますが、分からないことは周囲に尋ねれば誰もが丁寧に教えてくれます。若手の意見も良い案はすぐに採用されます。昨年末、就活生に社員を囲んでもらう座談会形式の会社説明会を初めて開いて好評だったのですが、発案者は入社１年目の社員でした。

　採用したいのは自分で考えて行動できる主体性のある人です。指示待ち型の人は困ります。当社にはパワフルに走り回る人やこつこつ努力する人などさまざまなタイプの社員がいますが、それぞれ自立して頑張っています。理系の人には専門知識を求めますが、文系学生は「面白そうだ」という程度の関心で受けていただいて構いません。

　私は大学は文系でしたが、愛知県出身なのでモノづくりに携わりたいと思っていました。就活中に当社の工場を見学し、巨大な電気炉で７０トンの鉄を溶かす場面を見て「こんなスケールの大きな仕事に携わりたい」と志望しました。

　大学時代には多くの社会人と接してほしいと思います。例えば両親やアルバイト先の社員の姿をよく見たり話したりして、社会人の責任感や物の見方を感じ取ってください。

　私自身はスポーツジムで３年間、アルバイトをしていました。当社の面接では、水泳教室の子どもから体力維持に訪れる会社員までいろいろな人と接した経験を率直に話しました。

　最近の新聞報道で気になったニュースはボーイング７４７型機、いわゆる「ジャンボジェット」の退役です。燃費のいい小型－中型機が求められる時代の変化は、航空機部品の素材製造も得意とする当社にとってビジネスチャンスです。

【会社概要】　１９１６年創業。本社は名古屋市東区東桜。資本金３７１億円。連結売上高４４０４億円（２０１３年３月期）。単体従業員数３１３９人（１３年３月）

【採用】　２０１５年４月入社の新卒採用予定者数は人（文系１８人、理系３０人）。エントリーは締め切っている。ウェブテストと３回の面接を行い、４月下旬から内定を出す。