2014/03/20
国内銀行では戦後初の女性トップが4月1日に誕生する。野村ホールディングス(HD)傘下の野村信託銀行社長に就任する真保智絵氏(48)。本紙インタビューで、自身の経験を踏まえ「仕事にめりはりを付け、効率的に働ける環境をつくりたい。これは女性だけではなく、社員全員の問題だ」と語った。(聞き手・大森準)
-銀行初の女性トップとなる感想は。
「女性だからという意識はないが(報道などの)反響が大きく、ここで失敗したらどう言われるかという恐怖感はある。グループの経営企画担当として、野村信託の状況はある程度把握している。高齢化が進み、資産相続に悩む顧客が増える。信託の仕組みを生かし、相続の手伝いをすることもテーマの1つだ」
-女性総合職の2期生として入社した。男性が優勢な職場でどう仕事に向き合ってきたのか。
「2期生で入り、ばたばたと辞めていったら、『やっぱり女性は』、と言われてしまうと思っていた。ただ、野村証券は昔から実力主義の会社で、頑張れば男女の隔てなく報われる雰囲気があった。米国留学にも行かせてもらった」
-仕事と家庭を両立させるための工夫は。
「私の場合は会社員の夫と家事を分業し、できる方がやってきた。食事は先に帰宅した方が作るとか。寛容な夫の支えは大きい」
-社員が働きやすい環境をどうつくる。
「もう少し良い環境にしなければとの思いはある。例えばもっと休みを取るようにするとか、もう少し柔軟にできないかと思う。毎日早く帰ることはできないにしても、もっとめりはりを付けて働くことはできる」
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真保智絵氏(しんぽ・ちえ)/早大卒。89年野村証券入社。転換社債ワラント部、資本市場部などを経て10年に野村ホールディングスの経営企画部長。12年から執行役員。神奈川県出身。
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